2011/10/16

院長日記

皮膚が乾燥する季節になりました。

10月に入ってだいぶ涼しい、夜間早朝は肌寒い季節になってきました。
これから冬にむかって湿度が下がってくると、皮膚の乾燥が強くなってきて、かさかさかゆくなってくる方が増えてきます。
正式には皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)と呼ばれ、学童期前の小児や御高齢の方に多い皮膚病です。

皮膚の表面には汗と皮脂が適度に交じりあって形成される皮脂膜という膜があり皮膚を護っています。この皮脂膜のおかげで皮膚はしっとりとした状態を保てます。

冬は低温・低湿度のため皮脂と汗の出が少量で、皮脂膜が充分に形成されず皮膚の水分がどんどん失われ角層(皮膚の最表面の層)が弱くなります。
そのため、ほこり、雑菌、衣類、洗剤などの皮脂膜がしっかりとしていれば、はねのけていたような軽微な刺激が皮膚の中に侵入し、簡単に湿疹ができカユミが生じてしまうのです。

皮脂の分泌を増やすことは現代の医学では難しいため、落としすぎない(洗いすぎない)ことと外から補ってあげること(適切な保湿)が重要です。

当院では、症状に応じて入浴の方法、保湿クリームの使用法などを理解していただき、適切な塗り薬による治療をおすすめしています。

冬の寒い時期は暖房の効いたしっかり密封された室内で過ごすことも多く、これも悪化要因になりますので、皮膚をしっとりと保つために、加湿器を使用して適度に湿度を保つことも重要です。