2011/11/29
院長日記
水いぼは冬でもご注意を。
水いぼについて
先日、皮脂欠乏性皮膚炎のお話しをしました。
寒くなってきたこの時期 、皮膚が乾燥しますと、皮膚のバリア機能も弱くなり、皮膚の感染症も悪化することがあります。
最近夏に感染した水いぼが、皮膚の乾燥するこの季節に悪化しているお子様が多くみられます。
水いぼは伝染性軟属腫ウィルスが皮膚の細胞に感染することで生じます。
水いぼを取ると白くて丸い物が出てきますが、ここにウィルスが含まれており、これが周囲の皮膚に付着すると感染が拡大します。
夏に感染しやすいのは、薄着になりますし、プールでの肌の接触や、ビート板などを介して感染する機会が増えるためです。
水いぼはウィルスに対する抗体が出来れば増えなくなり、自然に消えてしまいますが、抗体が出来るまでの期間には個人差があり、感染してから早い人で半年ぐらいから2年程かかる人もいます。
その間アトピー性皮膚炎の方や、皮膚が乾燥しバリア機能が低下している方は、水いぼが増えやすい傾向にあります。
よって水いぼを悪化させないようにするためには、皮膚のバリア機能を保つ つまりは皮膚の保湿をしっかり行うことが大事です。
また、皮膚を引っ掻くことでウィルスが拡がりますので、湿疹を治療しておくことも重要です。
水いぼは先述したように、時間が経てば自然に消えてしまう感染症ですので、基本的に放っておいても構いませんが、拡がりの早い場合や保育園や幼稚園から取るように指導された場合は、治療する必要があります。
治療はいぼを直接つまみ取る方法が一般的です。
痛みが強い場合は、痛みを取る麻酔のテープを貼ってから治療をすることもできます。水いぼが少なければ、お子様の負担も少なくてすみますので、水いぼを増やさないように、ぜひご自宅でスキンケアをしてください。