2012/09/07

院長日記

思春期性のニキビについて

朝の日射しが和らいできました。
すこしずつ、秋の気配をちらほらと感じるようになりました。

さて、秋と言えば、学生さんが忙しくなる季節ではないでしょうか?
文化祭や体育祭、試験などなど・・・。
今回は学生さん・・つまりは思春期の方の代表的皮膚疾患「思春期性ニキビ」についてお話しします。

小学校の高学年から中学生のころ、額や鼻、頬に出てくる白または赤いぶつぶつ。
これがまさにニキビです。

以前は「青春の証」などと言われていたようですが、最近は積極的に治療される方が増えました。

思春期ニキビは子供の体から大人の体へと変わる「第二次性徴」によるホルモンバランスの変化によってできるニキビです。

第二次性徴が始まると脳の視床下部という場所から第二次性徴を促すホルモンが分泌されます。このホルモンによって、男子は精巣、女子は卵巣に作用し、それぞれ男性ホルモン(アンドロゲン) 女性ホルモン(黄体ホルモン)が分泌されます。

これらのホルモンが皮脂の出る管をも発達させるため、皮脂の量が増えます。そして皮脂を好むアクネ菌やニキビダニが皮脂の出る管(皮脂線)に増殖すると、ニキビが発生します。

更に思春期の頃には年齢的に偏食をしたり、テストや部活などで不規則な生活を送りがちです。
このような生活のリズムの乱れやストレスは皮脂分泌を促進させ、また古くなった角質が皮脂線に蓋(角栓)をして、ニキビを悪化させます。
また、ついついストレスがかかるとニキビを触ってしまうため、手についている雑菌も増殖し、赤くて痛いニキビも出来てしまいます。

治療はどうしたらよいのでしょうか。
まずは洗顔が重要です。
詳しい洗顔方法は追ってお話ししようと思いますが、泡洗顔を心がけて下さい。
ニキビが悪化しやすい原因はつい治したい一心でゴシゴシ洗ってしまうことにもあります。

その他皮脂の分泌を抑えたり、皮脂線の栓をしている角質を取って、皮脂が皮脂線に溜まらないようにしたり、炎症をおこして赤いニキビには抗菌剤を使うことになります。
角質を取る方法としては、保険治療ではレチノイド様物質であるアダパレンいう薬を使ったり、自費診療では古くなった角質を取り去るピーリングという方法を使います。
ピーリングの方法は色々ありますが、当院ではピーリング石鹸をご紹介しています。

また、皮脂分泌を抑えることも重要です。
これには栄養の片寄った食生活はできるだけ避けましょう。
具体的には油分や糖分の多い物、炭水化物は皮脂の原料になるので、沢山取り過ぎれば、皮脂分泌を高めます。
しかし、絶対取ってはならないというわけではありません。
これらを禁止すればストレスとなって、ニキビを悪化することもあります。
よって、適度な量で、適切な時間帯に摂取するようにしましょう。
また、ビタミンB1ビタミンB2も皮脂分泌を抑えます。
これらの多い食品は、穀類の胚芽、豚肉、レバー、豆類、レバー、卵、大豆、乳製品、葉菜類などです。
中々気をつけて摂取出来ない場合はサプリメントで取るのも良いでしょう。

その他漢方薬で血液の循環を良くしたり、ホルモンバランスを改善したりすることで、補助的に治療をすることもあります。

ニキビ治療は、色々と気をつけなければならない事があります。
一歩一歩着実にクリアーしていきましょう。

次回は「大人のニキビ」についてお話ししようと思います。