2012/12/05
院長日記
大人ニキビ
12月も残すところ1ヶ月弱となりました。
皮膚科は季節により疾患も大きく変わる科で、冬は前回お話しした「皮脂欠乏症」や、もう少し寒くなると「しもやけ」などが増えてきます。
さて、1年通して多い疾患は「ニキビ」です。
前回は思春期のニキビについてお話ししましたが、今回は大人ニキビについてお話しします。
大人ニキビは、皮膚の乾燥やよごれが原因になる事が多いのが特徴です。
また、ストレスフルな生活や便秘、女性は生理前にひどくなることもあります。
大人ニキビの出来やすい部分は髪の生え際やあごです。
この部位は鼻や頬に比べると皮脂の分泌は多くないのですが、髪の生え際はシャンプーやリンス、あごは洗顔の洗い残しが多い場所です。
また、あごは乾燥しやすい場所でもあります。
石鹸の洗い残しは皮脂腺を塞ぐ原因となりますし、
皮膚の乾燥は皮膚の生まれ変わりがうまくできなくなり、皮脂腺に古くなった角質がたまってしまいます。
女性であれば、ファンデーションや基礎化粧品が皮脂腺を塞ぐ事もあります。
ついついニキビを隠したいとばかりにファンデーションを厚く塗りすぎることも悪化要因です。
その他タバコやストレスフルな生活は活性酸素を発生させたり、炭水化物や脂質の多い食事は皮膚の生まれ変わりを邪魔したりと、ニキビを悪化させる原因となります。
治療は基本的な事ですが、クレンジングや洗顔をきちんとすることがまず第一です。
そして、洗顔後にはしっかり保湿することも大切です。
スキンケアーを行ったら、処方された薬を用法通りに外用してください。
一方、間違った洗顔方法では、逆に皮膚が乾燥し、ニキビを悪化させてしまうこともあります。
よって当院では洗顔方法についてもお話ししています。
その他以前にもご紹介しましたが、皮脂腺にたまった古い角質を取るピーリング作用のある石鹸も販売しています。
また、大人ニキビではニキビ跡も気になるところです。
保険治療ではニキビ跡は治療できないので、ハイドロキノンやフォトフェイシャルをご紹介することもあります。
大人のニキビは思春期性のニキビと違い、時期が来れば治るわけではありません。
洗顔やスキンケアー、生活習慣が大きく関わるため、これらを改善していく必要もあるからです。
時間を要することが多いのですが、途中で諦めず、是非一緒に治していきましょう。