2013/09/04
院長日記
手足口病のあれこれ・・
9月になりました。
まだまだ日中は暑い日が続きます。
今年は1898年からの観測開始以来、4番目に暑い夏だったようです。
さて、今年の夏は手足口病が流行しました。
3から5年のサイクルで大流行するとも報告があり、今年はその大流行の年だったようです。
通常は4歳以下の乳幼児、特に2歳以下が半数を占めますが、大流行をするような年は大人でも感染し、ご家族皆さんが手足口病なってしまうことも珍しくありません。
なぜ子供だけではなく、大人でも感染し、症状が出るのでしょう。
水ぼうそう、風疹、はしかなどは原因ウイルスは1種類です。
よって予防接種を受けたり、実際に感染したりして抗体が身体に出来てしまえば、その後に感染しても抗体が原因ウイルスを退治するので症状は出ません。
しかし、手足口病の原因ウイルスは何種類かあります。
よって1回かかって抗体が出来ても、違う種類の手足口病の原因ウイルスに感染すれば、また手足口病になってしまうのです。
「去年も手足口病になったんです・・。」という訴えもよくあります。
さて、手足口病は症状の出ている水疱からだけでなく、唾液や便の中にもウイルスが含まれています。
手や足や口の中の症状が治っても、便の中にはウイルスが2から4週間も排出され続けますので、忘れた頃に感染することもあるでしょう。
さて、手足口病は皮膚症状が出ていても、学校や幼稚園などに行っても良いことになっています。
なぜならば、稀に脳炎を発症するという報告もありますが、通常は他の伝染病に比べれば症状が軽症であり、また皮膚症状が治っても便からしばらくウイルスが排出されており、その間ずっと休まなければならないのは、あまりも長すぎます。
なお、手足口病は症状が治って1から2ヶ月後に手足の爪が剥がれるという症状も出ることがあります。
但し、爪が剥がれても痛みは少なく、むしろ無症状のことが多く、治療も特に必要はありません。