2013/12/16

院長日記

円形脱毛症の基礎知識

早いもので12月も半ばが過ぎました。12月は大掃除に近隣やお世話になった方へのご挨拶、仕事納め、忘年会、年賀状などなど色々な事が集中し、あっという間に過ぎ去る月ですね。

さて、今回は「円形脱毛症」についてお話します。
円形脱毛症は、通常は頭皮の1ヵ所に突然生じます。中には脱毛が頭の数か所に広がったり、これらがつながって頭全体に脱毛が及ぶもの、頭以外にも眉毛や全身の毛が脱毛する重症の円形脱毛症もあります。

毛は1本1本に毛周期という3つのサイクルがあります。頭髪の約80%は成長期で、毛根がしっかりしています。残りの毛は休止期と退行期で、休止期では毛根がいわば冬眠している状態、退行期には毛根が消え、毛が抜けていきます。よって正常な人でも、退行期の毛は抜けるのです。しかし、成長期の毛根がリンパ球により攻撃され、そのダメージにより異常に毛が抜けてしまうのが脱毛症です。

治療は症状にもよりますが、ステロイドの外用や液体窒素をあてる方法、中々治らない場合は内服薬を飲んだり、脱毛部に注射をうつなど他の治療も追加します。
さて1か所のみに生じた円形脱毛症は、ほとんどが数ヵ月以内に治ります。しかし、続々と脱毛部が増えたり、頭全体に拡大した脱毛症や全身の毛が脱毛する重症型は治療に時間がかかります。また、こういった重症型は時に内科的な疾患と合併していることもあります。よって脱毛症ではしばらく定期的に治療を続ける必要があります。

尚、時々「脱毛症はストレスが原因ですか?」とご質問を受けます。実はこれは直接的な関連はないだろうと言われています。しかし、患者さんに「最近強いストレスを感じませんでしたか?」とお聞きすると2~3割の方があったかもしれないとおっしゃいます。もし、そのような事が背景にあるのでしたら、ゆっくり休養をとったり、ストレスをなくすよう心がけるのも必要かもしれません。