2014/02/16

院長日記

手湿疹

先々週に引き続き、先週の金曜日も大雪。
そして土曜日は暴風雨と荒れ模様。
立春が過ぎてもまだまだ春が遠いようですね。

さて、今回は冬のシーズンにひどくなる皮膚疾患の代表格「手湿疹」のお話しをします。
冬になると、思い出したように手のひらや指先の乾燥、あかぎれ、かゆみが出てくるといった繰り返し起こる手湿疹。

手はバリアー機能の役割を持つ物質の一つ「皮脂」がほとんど分泌されません。
その代わり、手のひらの角質は他の部位に比べて角質が厚くなってバリアー機能を保とうとしています。
しかし、洗剤や石鹸の慢性的な刺激が加わると角質がダメージを受け、バリアー機能が弱くなります。
バリアー機能が弱まると皮膚内部からは水分が抜けていき、更に様々な刺激から弱くなります。
洗剤や石鹸はもちろん、野菜、フルーツ、植物、薬剤、シャンプーやリンスなども刺激となることもあります。

治療は皮膚の炎症を抑えるステロイドを塗ることと、かゆみが強ければ抗アレルギー剤を内服することもあります。

しかし、中々完治しないことも多いのが手湿疹。
なぜなら手湿疹になりやすい方は常に増悪因子にさらされている事が多いからです。

どうすれば完治させることが出来るのか?
それは、「増悪因子から手を守ること」が必要です。
すなわち保湿剤をこまめに塗ったり、家事をする際や薬剤などを触る場合は手袋をつける。
これらはとても面倒なように感じるかもしれませんが、実際にこれらを心がけることはとても重要です。

水仕事をする場所各々に手袋を置く、または手袋をエプロンのポケットに入れて置く。
保湿剤もポケットに入れて置き、皮膚が乾燥してきたら塗れるようにする、手を洗ったら塗れるように洗面所に置いておくのも良いでしょう。
そして、湿疹の薬は枕元に置いておくと、寝る前には必ず塗れますね。

ご自身の生活の環境の中でどうしたら手を守ることが出来るのか・・
一工夫をしていただくと、手湿疹は少しずつですが、改善していきます。