2014/03/30

院長日記

アテローム(粉瘤 ふんりゅう)

あっという間に桜が満開になりました。
日曜日の雨風で桜が散ってしまうのではないかと心配しましたが、なんとか持ちこたえてくれたようで、まだまだ桜を楽しめそうです。

さて、今回は「アテローム」と呼ばれる皮膚科でよくみられる良性腫瘍のお話しをします。

アテローム(別名:粉瘤ふんりゅう)は何らかの原因で毛穴の一部が皮膚内部にもぐりこみ、風船のような袋(嚢腫 のうしゅ)ができます。
この袋の壁は皮膚がもぐりこんで出来た壁ですので、少しずつ垢が出て袋の内部に溜まります。これによって、徐々に大きくなり、しこりが触れるようになります。

毛穴からできた腫瘍なので、皮膚の表面には小さな穴があいているのが特徴です。
多くは、この穴から腫瘍に溜まった少し臭い垢が出てきます。
時にこの穴より雑菌が入り込むと内部で感染が起こり、赤く腫れあがることもあります。

アテローマは体のどこにでもできますが、背中や首、耳の後ろに比較的多い傾向があります。

さて、感染を起こして腫れた場合は抗生剤を内服したり、場合によっては局所麻酔をして、内部に溜まっている膿を外に出す治療をします。
しかし、炎症を起こしていないアテロームは必ずしも取る必要はありません。
ただ、整容的に気になる場合やぶつかって気になる場合など何らかの理由で取るという場合もあります。また過去に何度か腫れてしまい、とても不便だということで取る方もいらっしゃいます。

ただ、悪性化することはめったにありませんので、中々手術に踏み切れない場合は少し様子を見ても良いかもしれません。