2014/08/20

院長日記

ニキビ?マラセチア毛包炎?

夏休みも後半、お子様方の宿題は終わりましたか?
学校や幼稚園では登校(登園)日もあるようで、そろそろ2学期に向けて体を慣らしていく準備が必要になるころでしょうか。
さて、今回は某テレビ番組でも取り上げられた、マラセチア毛包炎についてお話します。

「マラセチア毛包炎」とは、その名の通りマラセチアと呼ばれる皮膚の常在菌が毛穴で増殖し、ニキビと同じような赤いボツボツが出る皮膚炎です。

主に、胸から肩や首、背中に出ることが多く、時にかゆみも伴います。
毛穴に一致して、赤いボツボツが出るので、ニキビと良く似た症状ではありますが、表面に少し光沢があるのが特徴です。

マラセチアは、皮脂を好む真菌(カビ)の1種で、元々多くの人の皮膚に存在している常在菌です。
しかし、梅雨期から夏にかけての高温・多湿や、汗をかいて不潔な環境などの条件により、マラセチアが毛穴(毛包内)で増殖し過ぎると、炎症を生じて皮膚炎を生じるのです。

以前は、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎のある青年~中年の男性に多く見られましたが、最近では、小児や若い女性にもみられるようになってきました。

診断は、特徴的な症状から判断できますが、顕微鏡検査によって原因菌であるマラセチアの増殖を確認する場合もあります。
抗生剤による一般的なニキビ治療で効果が無かった場合や、強めのステロイド薬を長期に使用していた場合には、マラセチア毛包炎の発症を考慮しておく必要があります。

マラセチア毛包炎は、細菌感染症ではなく真菌感染症であるため、抗真菌薬の塗り薬で治療します。
治りにくい場合には、抗真菌薬の飲み薬(イトリゾールなど)を服用する場合もあります。
また、再発を抑制するためにも、肌を清潔に保つなどのスキンケアは重要と言えるでしょう。