2014/10/06
院長日記
爪白癬の新しい治療
一気に秋が深まったようです。
朝晩は肌寒くなり、空気も少しずつ乾燥してきました。
さて、今回は爪白癬(爪水虫)についてお話します。
爪白癬とはその名の通り、爪に白癬菌が増殖し、爪を変形させる疾患です。
白癬菌というのは、カビの一種です。
爪白癬の初期症状は爪の一部が白く濁ります。
これを放置すると爪がボロボロになったり、爪が厚くなり、爪切りでは爪が切れないほどになることもあります。
重症の爪白癬では牡蠣の殻のように爪がゴツゴツに変形してしまうこともあります。
従来の爪白癬の治療は内服療法が最も効果的でした。
塗り薬では爪の内部まで薬剤が浸透しにくく、効果も不十分なことが多かったためです。
しかし、他に飲んでいる薬によっては、爪白癬の薬が飲めなかったり、肝機能障害やご高齢の方は内服出来ないこともありました。
爪白癬の治療薬として、塗るタイプの薬が新発売になりました。
薬剤のボトルにハケがついており、ペディキュアをつけるような感覚で外用することができます。
ただ、外用する際にはいくつかの注意点がありますので、医師の指示に従って適切に外用する必要があります。
新しい外用薬は従来よりも薬の成分が爪内部への浸透が高くなり、効果が高いという臨床結果も出ました。
もちろん、つける薬ですので、他に飲んでいる薬があっても、また肝臓の機能が悪い方やご高齢の方も使用出来ます。
治療方法が増えると、ご自身のライフスタイルによって治療を選択できるという利点もありますね。
例えば内服療法の方が、面倒ではない、つける薬の方が忘れずにすむ・・など。
爪が白く濁っている・・、爪が厚くなって爪切りがしにくくなったなど爪白癬の疑いのある方は、あきらめずに皮膚科を受診してください。