2015/01/15
院長日記
明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
今年も皆さんの皮膚の悩み、トラブルが少しでも解消されますよう頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
昨年末は12月の声を聞いたとたん急に寒くなり、それに伴って一気に肌の乾燥、しもやけ、温熱・寒冷刺激に伴うかゆみ(蕁麻疹)を訴える方が増えてきました。
しもやけは例年より早くから症状がみられる方が多い気がします。
さて、毎年この時期に悪化する乾燥による湿疹、かゆみ。(皮脂欠乏性湿疹)
小さいお子さんを持つ親御さんは、入浴後や寝入りばなに子供がボリボリと体を掻く姿を見て、早い段階から「保湿」や「スキンケア」をしっかりとされている方が多くみられ、非常に良い事だと思います。
ただこのかゆみ、一度掻き始めてしまうと、なかなか保湿やスキンケアだけでは治まらないものです。
大人でも、30歳を過ぎる頃から年々皮脂の分泌が少なくなるため、皮膚の表面を潤す皮脂膜が作られにくくなり、同様の症状が起こります。
その際に患者さんの多くが、「入浴後とか就寝時にかゆくてかゆくて、かゆみを早くとめて」と訴えます。
お子さんも同じです。自分ではなかなか症状をうまく説明できなかったり、訴えられないだけで、かなりのかゆみを感じているものです。ボリボリ掻いている部位には、適宜、薬も塗ってあげるとよいでしょう。
当院では、部位、症状、年齢に応じて、適切な塗り薬による治療を行っています。
また、同時に入浴の方法、体の洗い方も説明をさせていただき、ご理解いただいております。
具体的には、入浴時には石鹸やタオルなどを使用せずに、ゆっくりと(概ね10分程度)お湯につかるだけ。
汗の溜まりやすいわきの下や股、足の裏は、湯船の中で軽く撫で洗い。これで充分です。
どうしても、汗、皮脂、臭いなどが気になる方は、汗の溜まりやすい部位だけ、泡立てた石鹸をつけて、擦らずにすぐに洗い流す。
なんだか物足りない感じがするかもしれませんが、皮膚は「皮脂」という薄い膜と「角質」という皮膚表面の垢となる部位が皮膚を保護するフィルターの役割をしています。これらを石鹸やタオルでごしごしと洗い落してしまうと、皮膚を保護するフィルターが無くなり、皮膚内部から水分がどんどん抜けていきます。余計に乾燥するのは目に見えていますよね。
洗顔も同じです。
よく、額や鼻のテカリが気にされる方がいますが、洗顔フォームで2度洗いして、しっかりと皮脂をこすって洗って、その場サッパリ。でも1時間後には皮脂でテカテカに、なんていう経験ありませんか。
先に書いたように「皮脂」はフィルターです。皮膚を保護する役目です。
取ればとるほど、皮膚を防御するためにあわてて皮脂を産生してしまいます。
逆転の発想で。
こすらず、優しく洗う。石鹸も使用頻度を徐々に減らして、お湯だけ洗顔に移行してみては。徐々に、体が皮脂を過剰に作らなくていいモードに変化していきます。
体を石鹸で洗わなくしていたら、背中のニキビが減ってきたなんていう方も実際にいます。なんだか嘘みたいな話ですよね。洗わないのにニキビが減るとは。
でも、芸能人でもこの洗わない入浴法を実践していると公言されている方も多いようですよ。
たとえば、タモリさん、福山雅治さんをはじめ、有名女優さんなど。
気になる方は「タモリ式入浴法」をチェックしてみてください。
最後に、この数年の研究で、皮膚のバリアが壊れたり、弱ったりすると、そこから色々なアレルギーを起こす物質が皮膚の内部に侵入し、それに伴って皮膚だけではなく、全身的なアレルギーの発症と大きくかかわることがわかってきました。
皮膚のバリアを守ることはとてもとても大事なことです。