2015/02/21

院長日記

アトピー性皮膚炎 1

まだまだ寒暖差の激しい毎日が続きます。
こういった時期は、知らず知らずのうちに体がストレスを感じ、何らかの体調トラブルを起こしやすい時期です。
皮膚科でも、そういった原因から増悪する疾患が多くみられます。

今回はその疾患の一つ、アトピー性皮膚炎について、お話しします。
アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹が、何カ月、何年と長期間良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚炎です。
また、患者さんの多くは自分自身や家族が気管支喘息・花粉症、といったアレルギー疾患を持っています。

アトピー性皮膚炎の方の皮膚は皮膚表面を守るべくバリア機能が弱く、皮膚内部はアレルギー反応に関わる様々な種類の細胞が増加しています。
よってダニやハウスダスト、雑菌などが皮膚内部に侵入しやすくなっており、これらが皮膚に侵入すれば、すぐにアレルギー反応が生じ、皮膚炎が生じるのです。

治療は第1にバリア機能を高めること。
第2にアレルギー反応を抑える。
第3にアレルギーを起こす物質を極力除去することです。

具体的には保湿剤を全身に塗り、人工的にバリア機能を高める。
また湿疹部には適切な外用薬を塗り、アレルギー反応を抑える。
全身に湿疹が多数あったり、強い痒みがある場合には抗アレルギー剤を内服する。
ダニやハウスダストを除去するためには部屋の掃除や空気清浄機などを利用して生活環境を整える事も大事です。
その他にも、症状を悪化させる原因は、ストレス、環境の変化など様々な要素が関係しています。
よって精神的な環境を整えることもとても重要です。

そして最も重要なことは、湿疹が悪化しないよう、再発しないように根気よくスキンケアーを続けることです。患者さんの皮膚は常にバリア機能が低下し、ちょっとした刺激でアレルギー反応を起こして悪化します。
悪化してから治療し、少し良くなったらすぐ治療を止める、これではいつまで経っても改善につながりません。
毎日治療やスキンケアーを続けることは、本当に根気のいる作業ですが、毎日の日課として定着させることが大事です。