2015/04/16
院長日記
アトピー性皮膚炎 2(治療について)
四月になりました。
真新しい制服に身を包んだ新入生、真新しいスーツを着てさっそうと通勤する新社会人のみなさんの姿を拝見すると自分の新人時代を思い出すとともに、気持ち新たに今年も頑張ろうという意欲をもらいます。
さて、今回は前回お話ししたアトピー性皮膚炎の第2段として、治療についてお話しします。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚は皮膚表面を守るべくバリア機能が弱く、皮膚内部はアレルギー反応に関わる様々な種類の細胞が増加しています。
この炎症を起こす細胞の増殖を抑える治療として、ナローバンドUVBを皮膚に当てる治療もあります。
これは、紫外線の中でも有害な波長を除き、かつアレルギーなどを起こす炎症細胞の増殖を抑える波長を照射する仕組みで、難治性、または慢性的な皮膚疾患の治療として使われています。
環境の中で浴びる紫外線と違い、有害な波長は除いているので、副作用も心配ありません。
症状に応じて定期的に照射することが必要ですので、定期的な通院が必要です。
ナローバンドUVBの治療を検討するべく症状は、
①全身性に湿疹があり、痒みがつよい
②かたくて痒みの強いボツボツ(痒疹)が慢性的に比較的広い範囲にある。
③外用薬と内服薬をきちんと使っていても中々治らない。
などです。
アトピー性皮膚炎は慢性に経過する皮膚疾患の一つで、根気よく治療をしなければなりません。
繰り返しになりますが、皮膚表面のバリア機能が弱く、かつ皮膚内部には炎症を起こすべく細胞が待ち構えている状態だからです。
今までの治療法では思うように効果が出なかったという患者さんは、薬が切れてしまい、途中で治療を中断された方や良くなってすぐに薬を中止してしまった方などがほとんどです。
ただ、上に挙げたタイプのアトピー性皮膚炎の患者さんは中々外用や内服療法だけでは治りにくい傾向があります。
当院でもナローバンドUVBを治療の一つとして、行っています。
私達医師からも必要と思われる患者さんにお声をかけますが、ナローバンドUVBについて詳しくお聞きになりたい方は診察時に医師におたずね下さい。