2015/06/19

院長日記

ニキビの新しい治療

6月も中旬を過ぎました。
5月下旬には夏日を観測するほどからっとした暑い日が続きましたが、ここ最近は朝晩は冷え込んだり、20度を下回るような日も続いたりと体調を崩しやすい気候なのではないでしょうか。

さて、今回はニキビの新しい治療についてお話しします。

今年4月にニキビに対する新しい外用薬が発売になり、保険治療で行える方法が増えました。

今までのニキビの治療は、原因の一つであるアクネ菌の増殖を抑える抗生剤と毛穴を塞いでいる角質を取る外用薬がそれぞれ独立していました。
よって二つの薬を必要に応じて外用していただくこともありました。
また、抗菌剤を漫然と使い続けることで耐性菌が発生してしまい、薬が効きにくくなることもありました。

ニキビの原因の一つは角質が毛穴を塞いだり、アクネ菌とよばれる細菌が毛穴に増殖をして炎症を起こすことによって生じます。

今回新発売になった薬は、古い角質を剥離する作用と殺菌作用を持つ「過酸化ベンゾイル」が主成分で「ベピオゲル」という名称です。

この薬の殺菌作用はアクネ菌に対して毒性を有するのですが、抗生剤ではないので耐性菌の出現は心配ありません。
また、毛穴をふさいでいた角質を剥離するピーリング作用もありますので、一つの外用薬でニキビの原因を解消することが出来るのです。

しかし、外用方法を間違えると皮膚炎が生じたり、乾燥が強く出る事もありますので、きちんと使い方を知った上で外用する必要があります。

また、皮膚自体には問題はないのですが、洋服などにつくと漂白される可能性もありますので、塗り終わったら手を洗って他につかないようにするなどの注意点もあります。

当クリニックでもベピオゲルによる治療も必要に応じて取りいれておりますが、皮膚炎を併発している患者さんや乾燥の強い方には使用できないこともあります。

ニキビは上述した原因だけではなく、色々な原因が重なることでも発症します。
それらを一つ一つ紐解いて治療しないと改善出来ないことも多くあります。
また、一定の症状ではなく、時によって症状が変化するのも特徴ですので、症状に合わせて治療方法を変えることもあります。よって一度きりの診察で治らないから・・といってあきらめないように根気よく治療しましょう。