2015/07/16
院長日記
手足口病
ここ数日、台風の影響で真夏のような暑い日が続きました。
梅雨が明けきらない状態での、この暑さ。
8月の暑さはどうなることか・・今から心配してしまいます。
さて、7月上旬に、手足口病の流行が警報基準値を超えたと発表がありました。
手足口病は例年、お子様を中心に夏に流行る傾向があります。
ウィルスによる感染症で、その名の通り、手と足と口に水疱が出来る疾患です。
その他、臀部や膝関節にも水疱が出来る場合もあります。
原因はコクサッキーウィルスやエンテロウィルスといった複数のウイルスが原因であるため、1度感染して免疫が出来ても、他のウイルスにより手足口病にかかることもあります。
感染経路は手や足にできた水疱内容物から、もしくは唾液や感染者の便です。
便にはウイルスが約1カ月ほど排出されるため、症状がなくなっても、おむつ替えなどで親御さんが感染することもあります。よって、皮膚症状が治っても注意が必要です。
尚、学校や幼稚園、保育園への登校登園は禁止されていません。
感染力は比較的強いのですが、皮疹が治ってもウイルスが便中に排出されるため、1か月以上登園登校を中止するのは現実的には難しいことや、感染しても全身症状が比較的出にくく重篤化しにくいといった理由からです。
但し、発熱やだるさ、疲れやすさなどの全身的な症状がある場合は自宅安静するべきでしょう。
さて、手足口病には予防接種も特効薬もありません。
よって感染を防ぐにはご自身で注意するしかありません。
うがい、手洗いはもちろんのこと、小さなお子様が感染した場合は、おむつ替えやお尻を拭いた後には、他に接触することなく、すぐに手洗いする事も必要でしょう。
稀に脳炎も報告されていますので、罹患後しばらくは発熱などの全身的な症状には注意すると良いでしょう。
なお、水疱が口腔内に出来て破れると、びらんという傷になるので、小さなお子様では痛がって物を食べたがらない場合もありますし、手足の水疱には少し痛みがある場合もあります。
また、大人がかかると発熱や倦怠感などの症状が強く出現することもあります。
さて、皮膚症状が治ってから1~2カ月後に爪が剥がれたり、手や足の皮膚が大きく剥けることもあります。
その場合も徐々に爪も皮膚も新しく再生されますので、心配されないようにして下さい。
夏はウイルス感染症やカビ、細菌、汗、紫外線、虫など様々な原因で皮膚トラブルが増える季節です。
「一難去ってまた一難・・」ということもあるでしょう。
ひどくなってから受診されるよりも、初期に治す方が身体的にも精神的にも負担が少ないかと思います。
心配な皮膚症状がある場合はいつでも受診下さいますよう、お願いいたします。