2015/12/16

院長日記

しつこい手湿疹を治すには・・・

今年はエルニーニョ現象の影響で、暖冬のようです。
今年は1月から毎月台風が発生しているとのこと。台風の記録開始の1951年から初めてのことのようで、年々地球の気候が変化しているのが、ひしひしと分かります。

さて、今回は冬になるとひどくなりやすい「手湿疹」についてお話しします。

手の皮膚は寝ている時以外は休まることがあまりありません。
冬になると、手を洗う機会が増えますし、主婦の方は家事をすることで、洗剤や食物によっても刺激されます。
また職業柄、水や洗剤、薬品などを触る機会の多い方も、日中ずっと刺激されることになります。

手の背部は皮脂が分泌される部位ですが、手のひら(足裏も)は皮脂を出す管がないため、他の部位では皮膚を守っている皮脂膜が形成されません。
その分、角質が他の部位の皮膚よりも厚くなっており、皮膚内部を守ろうとしているのですが、この角質自体が荒れて、バリアー機能が破壊してしまうと、皮膚内部に様々な刺激が入って「刺激性皮膚炎」を起こしています。
この刺激は手に触れるものすべてと言っても過言ではありません。

また、特定の物質にアレルギーがあると、バリアー機能が破壊されていなくても炎症を起こす「接触性皮膚炎」を起こしている場合もあります。
代表的な物はゴム製品、植物の栽培をされている場合は植物などです。

一般に、手湿疹は痒みも強い場合が多く、皮膚を掻き壊すことで、更にバリアー機能が低下し、症状がどんどん悪化していきます。

さて、手湿疹を治すにはどうすればよいのでしょうか。

一番大事なのは、いつでもどんな時も「手をいたわる」事が大事です。

最も気をつけて頂きたいのは、料理中です。
料理中は手が汚れては何度も手を洗ったり、野菜や食物などを洗ったり、洗剤で食器や調理器具を洗ったり、食べ物の灰汁や汁を触ったりと、短時間で様々な刺激にさらされます。

よって、料理中は常に手袋をすることをお勧めしたいのですが、実際にはブカブカのゴム手袋はとても使いにくいので、手にフィットする使い捨てのビニールやゴム製の手袋がお勧めです。
また、これらの手袋をすると痒みが出る場合は綿製の手袋をした上でビニールやゴム製の手袋をするとよいでしょう。

手湿疹の治療はステロイドの外用がメインになりますが、痒みが強い、掻き壊しているといった状態であれば、抗アレルギー剤を内服して頂くこともあります。
症状にもよりますが、症状がひどい場合は、ステロイドを何度もつけていただくこともあります。 また、皮膚が割れて「あかぎれ」が生じた場合には、貼り薬を使用することもあります。

また、少し良くなったからと言って外用を中断しないように気をつけてください。
一旦湿疹が生じた部位の皮膚は、中々バリアー機能が回復しないことが多いですし、実はまだ皮膚の深い部位では炎症が残っている事も多いのです。

ちょっとした心がけや注意で、手の湿疹もきちんと良くなります。
年末年始はご親戚同士で集まったりと、少し家事の負担も多くなることもありますが、そういう時こそ、手をいたわり、ひどくしないようにして下さい。