2016/03/11

院長日記

水ぼうそう

3月になりました。
暦の上では春でも、まだ冬の延長のような気温ばかりで、春らしい装いも躊躇してしまう日も多い今日この頃ですね。

さて、ここ数週間、水ぼうそうが流行っている様子です。
水ぼうそうは乳幼児から小学校低学年のお子様に多い傾向がありますが、それ以上のお子様や成人の方でも水ぼうそうにかかられていない、もしくは予防接種をされていない場合は感染する場合がありますので、要注意です。

感染力はとても強いので、水疱がすべて乾いた状態になるまで、学校など公共の場所へは行ってはいけません。

初期の症状は微熱~38度台の熱が出た後(熱は出ない場合もあります)、虫さされに似た赤いボツボツが出現します。
その後、比較的急激に全身性に広がり、赤いボツボツの上に水疱が出来ます。
だいたい1週間から10日ですべての水疱がかさぶたになります。

尚、これらの症状は年齢や予防接種を受けたかどうかによっても変わります。
例えば、予防接種を1回でも受けた事のある方であれば、赤いボツボツのままで水疱にならなかったり、全身には湿疹が広がらずに、体の一部だけで治ってしまう場合もあります。

逆に予防接種を受けていない方や年齢が上にあがると、症状がひどく出る場合もあります。
成人の方では湿疹が全身に広がり、高熱を伴うこともあります。

ここ最近ではご兄弟姉妹間で感染したり、幼稚園保育園、小学校で流行っているということを耳にします。
潜伏期間は約2週間ですので、疑わしい症状が出た場合は小児科や皮膚科に受診して下さい。

尚、感染をした方が身近にいた場合、または感染の機会があった場合は、72時間以内、つまりは3日以内であれば、水ぼうそうの予防接種を受けることで6~8割ほど発症を阻止出来るとも言われています。

水ぼうそうの予防接種は2014年から1歳~3歳のお子様は定期予防接種の一つになりました。
それ以上の年齢の方は自費ではありますが、予防接種は受けられます。
予防接種を1度でも受けておくと、万が一抗体がついていなくても、症状が全身に広がらずに軽度で済む場合もあります。

治療は抗ウィルス薬を内服したり、皮疹部には細菌が付着してひどくならないように抗菌剤を外用します。
これらの治療で重症化を防ぎ、比較的短期に皮疹が改善するようになりました。

水ぼうそうは感染力が強いウィルス発疹症です。
しっかり予防をしたり、万が一感染しても、症状を早く抑えられるようにしたいものです。
疑わしい場合は小児科や皮膚科に受診して下さい。