2016/04/08

院長日記

エキシマライト

4月になりました。

真新しい制服やスーツに身を包んだフレッシュな方々を拝見するたび、心洗われる気がします。
また今年度もよりいっそう気持ち新たに頑張ろうという意欲を頂戴いたしました。

さて、当院では、先月より「エキシマライト」での治療を開始しました。
今回は、この「エキシマライト」のお話しをさせていただこうと思います。

慢性的に経過する「尋常性乾癬」や「白斑」「アトピー性皮膚炎」「円形脱毛症」といった皮膚疾患は、従来の外用や内服療法では効果が乏しい症例もあります。
このような慢性的に経過する皮膚疾患に対し、紫外線を皮膚に照射することで、難治な皮膚疾患の治療効果を上げることができます。
その紫外線照射機器の一つが「エキシマライト(ターゲット型ナローバンドUVB)」です。

紫外線を当てると、なぜ皮膚の慢性的な炎症が治まるのでしょうか。
それは、炎症を起こしているT細胞の活動を弱めたり、サイトカインと呼ばれるそもそも炎症を起こす発起人のような物質を抑制したりするからと言われています。
皮膚科の治療で使用されている紫外線照射の機器は、有害な紫外線は除いており、皮膚の炎症を抑えるために効果的な紫外線を照射出来ることが特徴です。

当院では「ナローバンドUVB」と「エキシマライト」での紫外線治療を行っています。
この二つの機器の違いは、「ナローバンドUVB」は身体全体に照射する機器で、「エキシマライト」は病変部のみ照射できる機器です。

「ナローバンドUVB」は比較的全身性に皮膚症状が存在する場合には効果的なのですが、健常な皮膚にも照射されるため、パワーをあまり強く設定出来ず、局所のみに病変がみられる症例では中々効果が出せない場合もありました。

「エキシマライト」は「ターゲット型ナローバンドUVB」と言われるごとく、従来の100倍以上のエネルギーで病変部のみ限局的に照射することが可能です。
よって、他の治療では中々効果が出なかった皮膚疾患でも、効果が期待できます。

エキシマライト

局所にエキシマライトを照射しているところ

治療中は多少の熱感を感じる程度で痛みはありません。
治療終了後も軽度のほてり感や赤みが出る場合もありますが、日常生活上で負担になるような副作用は特にありません。

治療の頻度は、週に1~2度の照射をお勧めします。

エキシマライトは「尋常性乾癬」「円形脱毛症」「白斑」や「掌蹠膿胞症」「アトピー性皮膚炎」で効果があると報告されています。
その他にも難治性の痒疹等も効果的と考えられています。

当院では、医師の診察で必要と思われる方は随時ご案内をさせていただいておりますが、もしもご自身の皮膚疾患が治療の対象になるのかをお聞きになりたい場合は診察時にご相談ください。