2016/10/22
院長日記
爪のおしゃれは要注意!
大分秋も深まりました。
今年は9月の日照時間が少なかった為に秋の楽しみの一つである紅葉が少し先になるか、紅葉にならずに葉が散ってしまう可能性もあるそうです。
さて、今回は爪のおしゃれに潜む爪トラブルについてお話しします。
近年女性のたしなみの様に普及している爪のおしゃれですが、その陰には色々なトラブルがあります。
爪は皮膚の角質層が変化したものであり、ケラチンというたんぱくから構成されています。
爪の作用は指先を支えたり、指先の感覚を敏感にする役割があります。
手指の爪の厚さは0.5mm程度しかありません。
しかし、つけ爪の前処置としてやすりで何度も削ると、爪を保護するための甘皮を取り去ってしまうため、様々な刺激から弱くなります。
更に除光液にはアセトンと呼ばれる薬品が含まれていますが、アセトンも爪の表面を乾燥させます。
また、人工爪を接着剤などで固定したり、アクリル樹脂を硬化させるジェルネイルなどは、化学物質を塗布することになりますので、爪に負担がかかります。
こういった様々な爪への負担により、爪はあらゆる刺激から弱くなります。
また、指先の負担も爪に伝わりやすくなります。
弱くなった爪は徐々に変形する様になります。
その代表が「爪甲剥離症」や「二枚爪」です。
「爪甲剥離症」は、爪の先端が爪床から剥がれた状態。
「二枚爪」は爪自体が二枚に分かれる状態です。
また、人工爪やジェルネイルをつける前に消毒が十分でなかったり、つけ爪と爪に隙間が生じていると、感染症を起こしやすくなります。
ダメージを受けてもろくなった爪の隙間には雑菌が入り込みやすくなっています。
「緑膿菌」という細菌が爪に侵入して増殖すると黒緑色に変色した「緑色爪(グリーンネイル)」になります。
また、爪に「カンジダ」というカビが挿入すると、爪が白く濁ってきます。
これらの感染症を生じた場合、爪の周りを清潔に保ち、十分に乾燥させる必要があります。
このように、爪が変色していたり、変形している場合には、人工爪をつけたり、ジェルネイルをつけて爪を密閉するのは好ましくありません。
爪のトラブルに気づいたら、少なくとも1か月は爪を休ませ、保湿や衛生管理を含めた正しいネイルケアを心がける必要があります。
一度ネイルを行うと、つい続けてやってしまいたくなる気持ちはわかりますが、爪のおしゃれに潜むトラブルも十分ご理解されるよう、お願いします。