2016/11/25
院長日記
ニキビの新しい治療薬
ここ最近寒暖差がかなり激しく、10月の初めの様な暖かい日があったと思えば、昨日は積雪・・・。
体調管理が難しい日が続きます。
さて今回は 11 月 4 日に発売になりました、ニキビの新薬についてお話します。
ニキビは皮脂を出す管の内部でアクネ菌やブドウ球菌が炎症を起こしているだけでなく、皮脂を出す管の入り口が皮膚の角化細胞により覆われて蓋(角栓)をしていまうことでも生じます。
今回発売された「エピデュオゲル」には角栓を取る作用がありますが、現時点でもニキビ治療として使用されている、「ディフェリン」と「ベピオゲル」や「デュアック」の作用を合わせ持った治療薬です。
「ディフェリン」の成分である「 アダパレン」 は皮膚の最も表層の細胞が角化するのを防ぐ作用。
「ベピオゲル」や「デュアック」に含まれる「過酸化ベンゾイル」 は、角化細胞同士の結び付きをゆるめて角化した細胞をはがれやすくする効果があります。
その他「過酸化ベンゾイル」には、これ自身が分解されるとフリーラジカルを発生させて、ニキビの原因菌を分解する効果も合わせ持っています。
よって、炎症の強い赤いニキビに対しても有効です。
従来のニキビ治療薬の一つである抗生剤は、使い続けると菌に対する耐性が出来て、薬が効かなくなるといったこともありましたが、こういった心配がない点も大きな利点と言えます。
ただ、角栓を剥がす作用があるという点で、使用に当たっては十分注意をする必要もあります。
「エピデュオゲル」は、夜一回のみ、洗顔後に化粧水や乳液で保湿した後に外用します。
化粧水や乳液は出来る限り低刺激で、ノンコメドジェニックの物を使用することをお勧めします。
最近では角質を柔らかくしたり、除去するようなピーリング作用のある化粧水もあります。
単独で使う分には問題ないかもしれませんが、「エピデュオゲル」や「過酸化ベンゾイル」、「ディフェリンゲル」などと一緒に使用すると、角質を取る作用が強く出て、皮膚が荒れてしまうことも十分考えられます。
また、以前「ディフェリンゲル」や「ベピオゲル」「デュアック」でかぶれ等のトラブルを起こされた方は使用できません。
その他、「アダパレン」が成分として含まれる為、妊婦さんや授乳婦さんは使えません。
ニキビ治療はここ数年で劇的に飛躍し、効果のある薬剤が増えました。
その一方で使い方次第で悪化してしまう危険性もあります。
ニキビの治療は一筋縄では完了しないことも多々あります。
なぜならば、生活上でニキビを悪化させる要因を作っていたり、薬の付け方を間違っていたりすることも多くあるからです。
よって自己判断で治療したり、効かないからといってすぐに中断するのではなく、じっくりと時間をかけて治療することも大切です。