2017/02/15
院長日記
酒さ様皮膚炎について
2月もあっという間に中旬になりました。
花粉もわずかながら、飛び始めているようで、花粉症の患者さんも少しずつ増えてきた印象です。
さて、今回は「酒さ様皮膚炎」についてお話しします。
その疾患名のごとく、お酒を飲んで赤くなる方がいらっしゃいますが、お酒を飲んでもいないのに、顔に赤みが出る皮膚炎です。
かゆみはほとんど無いか、もしくは、ピリピリとした症状がある場合もあります。
暖まると、ほてったように顔が熱くなったりすることもあります。
その他、毛細血管の拡張、ニキビのようなブツブツや膿疱が出ることもあります。
また、女性に多い事も特徴です。
過度なスキンケアを長い間続けていることで皮膚のバリア機能が弱まったり、時には治療として用いていたステロイド外用剤の長年に渡る不適切な使用が原因になります。
そういう意味では、男性よりも念入りにスキンケアをする女性に多いのかもしれません。
治療はまず、何が原因であるのかが重要なポイントですので、日常的に顔に使っている製品について問診します。
その上で、原因となっているであろう薬や製品がある場合は使用を中止します。
また、化粧水や乳液、美容クリームなども刺激になっている可能性も大いにありますので、一旦ご自身のスキンケア製品を中止し、医療用の保湿剤をスキンケアとして使用して頂くようにします。
その他、タクロリムスというアトピー性皮膚炎の治療薬を使ったり、ニキビのような症状が混じっているようでしたら、これらに適した薬を使うこともあります。
酒さ様皮膚炎を治すにはとても長い時間がかかります。
そのため、途中であきらめてしまったり、もしくは、人から聞いたり広告を見たりして、他の製品を試したりする方も少なくありません。
しかし、結局またそれらの製品で症状を悪化させることもしばしばあります。
また、花粉の多く飛ぶこの季節はバリア機能の弱い酒さ様皮膚炎の患者さんは要注意です。
バリア機能の弱い皮膚に花粉が付着して、湿疹を起こすこともあります。
花粉症の方へのアドバイスと同じですが、外出時はマスクや眼鏡などをつけて
なるべく外気にさらさないようにすることも大事です。