2017/08/09

院長日記

虫刺され

のろのろ台風が立ち去ったと思ったら、じりじりと照りつけるような暑さ。
今年は涼しい夏で終わるのかと思いきや、考えが甘すぎました・・・。

さて、今年も6月ごろからお子様の虫さされで診察にいらっしゃることが増えました。
小さなお子様は大人よりも腫れる事が多く、かゆみも強いため、ひどくしてしまうことも多くあります。
時に、その部位がジクジクしてきたり、熱を持って痛みも出たりと細菌が入って炎症を強くすることもあります。

なぜ、小さなお子様はこのように悪化することが多いのかと言えば、虫に刺された時に皮膚に注入される毒液に対して過剰に反応してしまうからなのです。

まだお子様は虫に刺されたことが少ない為で、段々と「刺され慣れる」と体の反応も弱くなり、刺されても赤くはれたりすることは少なくなります。
もちろん、刺され慣れていない種類の蚊やその他の虫に刺されれば、大人でも腫れて悪化することはあります。

さて、時々「蚊のアレルギーではないでしょうか?」と質問されることもあります。
確かに、「虫刺過敏症(蚊アレルギー)」という疾患は報告があります。
この疾患の場合、虫に刺された部位に水疱や血液を混じた水疱ができた後に、強く腫れあがり、その後潰瘍が出来たり、壊死したりとかなりひどい状態になります。
また、局所的な症状ばかりではなく、高熱が続いたり、刺された部位の近くのリンパ節がはれたりします。
専門的なお話しになりますが、これはEBウィルスが体の中で持続的に活動して発症すると言われています。
今お話したような、蚊に刺された部位がかなり強い症状と全身的な症状がない限り、あまり心配しなくても良いでしょう。

なお、お話は戻りますが、「虫刺され」の治療は、ステロイドをつけて炎症を抑えます。
虫刺されの症状が現時点ではなくても、事前に薬を処方してもらい、刺された時にすぐ対処できるようにしておくのも良いでしょう。
かなりかゆみが強かったり、局所的な炎症が強い場合は抗ヒスタミン剤を内服することもあります。
また、ジクジクして「とびひ」になったり、赤く腫れて痛みのある「蜂か織炎」になった場合はそれに適した治療を行います。

「虫刺され」は侮れない事もしばしばです。
症状がひどくなる前に皮膚科を受診することをお勧めします。