2017/09/22
院長日記
顔に出来る小さなブツブツについて
秋になりました。9月というと、例年まだまだ暑さが残っていることも多い気がしますが、今年は入れ替わりが早かったように感じます。
さて、今回は診察のついでに・・・と質問されることの多い顔の小さなブツブツについてお話しします。
「目の周りや鼻、額などに見られる、小さなブツブツ。
かゆみもないし、でもなんか気になる・・・。これってなんですか?」
皮膚には脂の出てくる管(皮脂腺)、汗の出てくる管(汗腺)がありますが、これらが何らかの原因で変化したもの、もしくは皮膚の深いところを走る血管が変化したもの、その他ウィルスが感染して出てきたもの、皮膚のターンオーバーが上手くいかずに出てきたものなどなどが知られています。
すべて一つ一つを確実に診断するのは難しく、かつきれいさっぱり治るという物ばかりでもないのですが、皮膚、特に顔面部に出来ているものは整容的にも気になるという方は多くいらっしゃいます。
まず、お子様にも良く見られる「稗粒腫(はいりゅうしゅ)」。表面が白くて1~2mmほどのブツブツです。特に目の周りに出来ることが多いのですが、これは汗の管の開口部周辺が変化して出来ます。
お子様では、自然に皮膚の生まれ変わりで取れてしまうこともあるので、そのまま様子を見ることも多いのですが、成人では中々自然にとれない事もあり、その場合は皮膚に直接針で穴をあけ、取ってしまうこともあります。
汗の管でも深い部分が変化して出来るものを「汗管腫(かんかんしゅ)」と言います。
少し薄い茶色をしていたり、皮膚と同じ色を呈する小さなブツブツです。
汗をかくと増えるとも言われており、夏になると増えることもあります。
治療はレーザーや液体窒素を使うこともありますが、効果が高いとは言えません。
皮脂の管が変化して出来るものの代表は「脂腺増殖腫(しせんぞうしょくしゅ)」です。
数ミリ程度の少し黄色味がかったボツボツで、表面が火山口のようにへこんでいます。
額や鼻といった皮脂の分泌が多いところが好発部位です。
保険での治療は、液体窒素を使いますが、効果は高いとは言えません。
ウィルスの感染出来るものには「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)イボ」や「青年性疣贅(せいねんせいゆうぜい)」があります。
「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)イボ」は数ミリから大きいものでは数センチほど。
表面がゴツゴツ、ザラザラで少し突出しています。
「青年性疣贅(せいねんせいゆうぜい)」は数ミリで表面が平らで敷石状に数個が連なっています。
これらは、液体窒素を当てて治療を行います。
その他、皮膚の生まれ変わりが局所的に悪くなった部位に長年に及ぶ紫外線の影響が加わって出来るものを「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」といいます。
数ミリから時に1cmほどのものもあり、見た目はウィルス性のイボと同じようにザラザラ、ゴツゴツしており、平らなものから突出したものもあります。
治療はイボと同じように液体窒素を当てます。
以上のように、顔のボツボツといっても、その他にもまだまだ沢山ありますが、今回は比較的多くみられるボツボツについてお話ししました。
尚、一つ注意しておきたいのは、顔のボツボツの中にも、悪性の顔つきをしている者もあります。
急激に大きくなったり、急激に形や色が変化したといったことがあればなるべく早めに皮膚科を受診して下さい。