2018/01/09

院長日記

2018年 明けましておめでとうございます。

2018年新年明けましておめでとうございます。

お正月はモードはすっかり通り過ぎ、春の七草粥、成人の日と時が瞬く間に過ぎて行きます。

先日2017年の新年のブログを見ていましたら、「新しいことに挑戦し、充実した1年でありますように」と書いておりました。

去年を振り返ると、さほど挑戦できたことはなかったと反省し、今年こそ何か新しいこともしくは中途半端になっていることに挑戦できる年にできたらと思っております。

今年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、今回は「円形脱毛症」についてお話しします。

「円形脱毛症」は毛包周囲に白血球の仲間であるリンパ球を主とした炎症細胞が自分の毛包を攻撃をしてしまうという、自分の免疫が自分の組織を攻撃する「自己免疫疾患」と考えられています。ではなぜ、このようなことが起こるのかといえば、原因は未だわかっていないのが現状です。

ただ、遺伝的な要因やアトピー性皮膚炎との合併も知られています。
円形脱毛症の患者さんの20%にアトピー性皮膚炎が合併しているという報告もあります。
その他内科的な疾患とも合併することもあります。

精神的なストレスを原因の一つと周知のごとく思われていますが、実際にはその因果関係が明確に示されているわけではないので、「円形脱毛症」=「ストレス」とは安易に考えられません。

脱毛の治療を開始するにあたっては、ダーモスコーピーというライトのついた拡大鏡で脱毛部を診察し、病的な毛がどのくらいの密度であるのかを診たり、毛を実際に引っ張って容易に抜けないかを確認し、脱毛症の進行具合を診断します。

治療方法はステロイドの外用や発毛の促進を促す内服薬を処方します。

その他、効果を見てステロイドを局所的に注射したり、紫外線を当てる治療を行うこともあります。
中々効果が出ない場合は、ステロイドの内服を短期間行うこともあります。

治療期間は脱毛斑が少数であれば、1年以内に改善することが多いと報告があります。
しかし、再発例も多いのが現状です。

また、頭部に広範囲の脱毛が見られる場合は、改善する可能性が10%弱と低い傾向にあります。
よって、改善しても、定期的に再発していないかチェックしたり、広範囲に脱毛斑が見られる場合は治療が長期間になることもあります。

なお、AGAで知られる男性型脱毛や女性の30代後半ごろから見られる女性型脱毛は円形脱毛症とは原因も治療も異なります。

脱毛症は自分で自覚できる疾患の一つですが、どこの科に受診したらよいのかわからない方や相談するのが恥ずかしいと思われる方も多いのではないでしょうか。

しかし、早期に治療を行うことは治療の効果にもつながります。
脱毛症は皮膚科で治療できますので、皮膚科専門医にご相談ください。