2018/09/26
院長日記
爪白癬の新薬について
2018年7月、爪白癬に対する新薬が発売されました。
爪白癬とは、その名の通り、足や手の爪の中に白癬菌が増殖し、白く混濁したり、放置すると爪が肥厚し爪が変形します。
初期にはあまり日常的な不便さはないですし、自覚症状もないのですが、爪が肥厚し変形すると、靴を履くと圧迫されて痛みが出たり、靴が履けなくなることもあります。
また、家族にうつす可能性もありますので、早期から治療をすることをお勧めします。
爪白癬の治療は内服療法と外用療法があります。
ここ最近の爪白癬の外用薬は爪への浸透が高くなり、効果もかなり上昇しました。
統計では内服薬と外用薬の治療効果は同程度とも言われているほどです。
しかしながら、外用薬の欠点としては、1日1回爪に塗らなくてはならず、つい面倒になってしまうことや時にかぶれてしまうこともあります。
そういう点では、内服薬も良い選択肢でしょう。
今回発売された新薬「ネイリンカプセル」は1日1回1カプセルを12週間内服します。
食事に関係なく内服可能です。
因みに爪白癬の代表的な薬剤としてはそのほかにも「イトラコナゾール」や「テルビナフィン」もあります。
既存の内服薬との大きな違いとしては、「ネイリンカプセル」は重篤な肝機能障害が見られず、かつ他の薬との相互作用を起こす可能性も低いため、安心して内服ができる点が挙げられます。
また、「ネイリンカプセル」「イトラコナゾール」「テルビナフィン」それぞれに薬価も多少違いますし、治療期間も異なります。
爪白癬の治療で内服を行う場合は診察時にその点もお話しさせていただきます。
なお、内服薬を選択した場合、外用薬との併用はしなくても問題ありません。
なぜなら、服用後に有効成分が血液に乗って足(手)まで行き渡り、爪まで到達するからです。
これから秋、冬と寒くなると足を出すことも減り、ついつい気にならなくなる「水虫」治療ですが、この期間に治療を終えて綺麗な爪で来年の夏を迎えるのも良いかも知れません。