2018/10/17

院長日記

認めなくないかぶれ

10月も早くも中旬になりました。

すっかり秋が深まったような気温になりましたが、今年は大型の台風が何度も来た影響で、紅葉にならずに葉が枯れたり、季節外れで桜が咲いているとも聞きました。

自分が小さい頃には想像もしなかったことが、少しずつ当たり前になってくるのでしょうか・・。

 

さて、今回は「認めたくないかぶれ」についてお話しします。

 

「かぶれ」とは特定の物に対してのアレルギー反応です。

「かぶれ」実際に何に反応してアレルギーが出ているのかということまで掘り下げないと、根本的に治すことはできませんし、また原因である物を使えば湿疹になると思えば、何が原因なのか、知りたいと思うでしょう。

あまり生活の中で触れることも接することもない物をたまたま触って症状を引き起こしたのならば、それ以降症状が頻繁に出てくることは少ないとは思います。

しかし、よく使っているものが原因ならば、使うのを中止しないと、症状は何度も繰り返し出てきます。

また、どうしても使いたい、使わざるを得ないものが原因であった場合、それが原因であるとはどうしても認めたくないことも事実でしょう。

 

代表的な「認めなくないかぶれ」は「目の上のかぶれ」です。

お気付きの方もいらっしゃるかとは思いますが、アイメーク、エクステ、つけまつげ、二重にするための薬品などによる「かぶれ」です。

圧倒的に女性に多いことも特徴です。

 

目の周りの皮膚はとても薄く、かつ皮膚を守る因子である皮脂膜がとても少ない状態です。

何故ならば、皮膚のバリア機能を担う「皮脂」を出す「皮脂腺」が他の部位に比べるととても少ないのです。

また、アイメークを落とすべく、目の周りの皮膚はとても弱いにもかかわらず念入りに洗うことも皮膚のバリア機能を壊すきっかけになります。

 

バリア機能が弱った皮膚には、刺激になる因子が何度も何度も皮膚の内部に入って行きます。

そういったことが続くと、皮膚の免疫を担当している監視役「リンパ球」が「こいつを追い出せ!!」と指令を出すことがあります。

一旦指令が出ると、それ以降原因である刺激物(アレルゲンと言います)が皮膚に付くと、追い出し作戦が発令され、皮膚が炎症を起こすという機序です。

皮膚の免疫担当役は一旦追い出すと決めた因子は一生涯覚えています。

よって、皮膚の炎症が治まっても再度アレルゲンが皮膚に塗られると、再度追い出し作戦が始まり湿疹を繰り返すのです。

 

「アイメークは止められません!」ということで、どうしてもこれらに対するかぶれだと認めたくないという方も多く、治療がなかなか進まないこともあります。

また、治ってもまたアイメークを再開し、湿疹が慢性化したり、何度も繰り返すこともあります。

 

しかし皮膚炎が長期に続いたり、何度も皮膚炎を繰り返すと、最終的には皮膚がどんどん繊維化し硬くなったり、メラニンが増えて黒くなったり、治療として使用したステロイドを長期に使えば、血管が拡張して逆に赤みを及ぼしたりすることもあります。

将来的にこうっいった皮膚炎の後遺症のような症状が出てしまってからではもう薬で治すことは出来ません。

 

かぶれの原因がなんなのか?

使わざるを得ないものが、使えない状態はとても辛いとは思います。

しかし、繰り返す場合はご自身で自覚を持って、原因と思われるものは日常的に使わないようにすることが、とても大事です。