2018/11/16

院長日記

女性のデリケートゾーンの痒みについて

11月も半ば。冬の気配がしてきました。
繁華街ではクリスマスツリーもちらほら。
朝晩は温度も下がり、コートも羽織る気候になってきました。
さて、今回は「女性のデリケートゾーンのかゆみ」についてお話します。
外陰部はそもそも皮膚はとても薄く、刺激には弱い状態です。
それにも関らず、ショーツがしめつけたり、むれたり、ナプキンをつけて擦れたり、おりものや血液などなど・・・
常に様々な刺激にさらされています。
長年のこういった刺激が積み重なると、皮膚が弱り、炎症を引き起こすようになります。
また、外的な刺激だけでなく、毛穴から分泌されている「皮脂」が皮膚を刺激することで引き起こされる「脂漏性湿疹」を合併していたり、
「カンジダ」というカビによる皮膚炎が合併していることもあります。
「カンジダ」による皮膚炎では、おりものが「ヨーグルトまたはカッテージチーズ」のような形状です。
少し疲れていたり、体調を崩したりすると、免疫が下がり、「カンジダ」に対する抵抗力がなくなるために症状が出ます。
その場合は婦人科と連携の上治療することもあります。
さて、皮膚科では症状を診察したうえで適切な薬を処方しますが、薬をつけていても中々良くならない、繰り返すという方が沢山いらっしゃいます。
なぜならば、原因である刺激に常にさらされている状態なので、繰り返し症状が出るのです。
よって、薬をつけるだけでなく、生活上でも気をつけて頂く必要があります。
 
まず、ショーツはしめつけるような、例えばコルセットのような物は控えた方が良いでしょう。
すこしゆったり目が良いかもしれません。
また、レースのついた下着はレース自体がポリエステルですので、刺激になる場合もあります。
なるべくそういったものが付いていない物を選びましょう。
生理用のナプキンは肌に合ったものを選びましょう。
これは実際につけてみてかゆみの出ないものが良いのですが、中々合うものが見つからない場合は「布ナプキン」も試してみてください。
生理中でなくても、おりものが多い日もナプキンは使用した方が良いです。
おりもの自体が皮膚を刺激したり、清潔に保つという意味でも必要です。
その他、外陰部にかゆみのある方は、「清潔にしなくては!」という気持ちのあまり、石けんでごしごしと洗ってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、洗いすぎで刺激になっていることも多く、洗う際にはお湯だけ。
もしくは赤ちゃんでも使えるような固形石鹸を泡立てて優しく洗うようにしましょう。
また、細かな事を言えば、下着を洗う洗剤、特に柔軟剤は皮膚に刺激になります。
とても良い香りの柔軟剤が増え、特に臭いが気になるといった場合は量を多めに使用することもあるかもしれませんが、柔軟剤はそのまま衣服に残っています。
柔軟剤が残っている下着が皮膚に直接触れると、刺激として皮膚に入り、湿疹の悪化を招くこともあります。
「恥ずかしいから・・」と市販薬で対応する方も多いのですが、市販薬は痒みを抑えるだけで繰り返します。
デリケートゾーンのお悩みはとても多く、決して恥ずかしいことではありませんので、一度皮膚科で相談してみてください。