2018/12/12

院長日記

皮膚に優しいお風呂の入り方

12月になっても数日は暖かな日が続き、こんな12月ってあるの?と不思議なくらいでしたが、ここ数日で突然気温が下がりました。

急激な温度の下降で風邪も流行っているようです。

そんな季節はお風呂に入るのが待ち遠しいですね。

ただし、皮膚の弱い方やアトピー性皮膚炎の方はお風呂の入り方にも注意が必要です。

 

まず、以前にもお話をしたと思いますが、ボディーソープで皮膚を洗うと皮膚を守る因子である皮脂や天然の保湿因子を壊してしまいます。その上タオルで皮膚をこすると角質までも落としてしまい、皮膚を守っているバリア機能が壊れ、皮膚内部から水分が抜けやすくなります。

水分が減れば皮膚は乾燥し、バリア機能の壊れた皮膚には刺激となる因子が素通りしやすくなります。

 

しかし、今までずっと石鹸を使うことに慣れていたので、急にそんなこと言われても、無理です!と思われる方もいらっしゃるでしょう。

実は湯船に浸かって5分もすれば、皮膚の表面の汚れはもちろん、不要な角質はふやけ、酸化した皮脂は浮いてきます。

この後シャワーを浴びながら、軽く手で皮膚を撫でるだけで、これらの汚れは流れていくのです。

ただ、どうしても石鹸を使わないと臭いが気になるという方は、脇の下や外陰部といったアポクリン腺と呼ばれる臭いのある汗や分泌物が出る部位のみ石鹸を使うようにしたり、

全身石鹸で洗いたい!という方であれば、香料や色素の入っていない低刺激の固形の石鹸を泡だてネットで泡だて、その泡を皮膚に乗せて洗うようにしてみてください。

できれば、乾燥の強い場所や湿疹のある場所は使わないように心がけてください。

それだけでも石鹸を使う量が減り、バリア機能を壊す力も弱まります。

また、毎日石鹸を使うのではなく、1日置き、二日置き・・にしてみても良いかもしれません。

 

 

ちなみに湯船やシャワーの温度は38度から40度が良いと言われています。

少しぬるいかな?という程度が適温です。

何故ならば42度以上のお湯は痒みを増強させると言われています。

また、皮脂は約30度で溶けて浮いてきます。

さすがに30度以下では寒すぎますので、適温の湯船に入っても長湯をしないように気をつけると良いでしょう。

 

 

また、入浴剤についてもよく質問されます。

保湿作用のある入浴剤、温泉の成分が入っているもの、香りでリラックスさせてくれるようなものなど色々ありますね。

一概に全てダメ!とは言えませんが、入浴剤が皮膚に付着したままの状態ですと、皮膚が特に弱い部位や湿疹のある部位では刺激になる可能性もあります。よって使用することで痒みや湿疹がひどくなるようなら、使用は控えた方が良いでしょう。

 

 

お風呂の後はタオルで優しくポンポンと叩くように拭き、拭き残しの無いよう気をつけてください。水分が皮膚に残っていると、気化熱と一緒に皮膚内部の水分が抜けてしまいます。タオルも肌触りの良い柔らかいタオルが良いでしょう。

 

 

保湿剤でのケアーも忘れないでください。

湿疹の薬が処方されている方は、保湿剤を全身につけてから、赤みやかゆみのある湿疹部に薬を重ねると良いでしょう。

 

 

入浴はリラックス効果もありますよね。

ついつい寒いと長湯になる方もいらっしゃるかもしれませんが、お風呂の入り方次第で皮膚の状態も変化します。

あまり気を使いすぎて、ストレスが解消されないのも問題があるかもしれませんが、湿疹が強く出ていたり、皮膚の乾燥が強い時には気をつけてみてください。