2019/05/19
院長日記
掌蹠膿疱症とは?
今回は「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」についてお話しします。
手のひら、足の裏に小さな膿疱が多発し、良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患です。ひどくなると、爪の変形もきたします。
かゆみは無いことの方が多いのですが、かゆみがある場合もあります。
原因ははっきりとはわかっていませんが、発症のきっかけが慢性的な感染症であることが多いとされています。
例えば、虫歯、歯周病といった歯の感染症。慢性的な副鼻腔炎や扁桃炎。腸内細菌の乱れなどです。
その他にもヘビースモーカーの方や糖尿病といった成人病のある方や、金属アレルギーによって引き起こされることも知られています。
よって、きっかけとして思い当たることがあれば、皮膚の治療だけでなく、歯科、耳鼻科、内科との連携も必要になります。
特に虫歯や歯周病は本人が自覚していないことも多いと言われています。
皮膚の治療は、ステロイドの外用やビタミンD3の外用、抗アレルギー剤の内服を行なったり、皮膚の抗炎症作用としてビオチン(ビタミンH)を大量に内服することもあります。また、腸内細菌を整えるためにミヤB散を処方することもあります。
これらの外用、内服治療が効かない場合はナローバンドUVBを照射します。ナローバンドUVBとは紫外線治療です。紫外線治療といっても太陽から降り注ぐ有害な波長を含む紫外線ではなく、皮膚の炎症を抑えられる波長のみを出すことのできる機械です。
この治療は1回当てたから改善するわけではありません。症状の状態にもよりますが、少なくとも1週間に1回は照射が必要です。
ちなみに、先ほどお話しした掌蹠膿疱症のきっかけである要因を治療した場合、掌蹠膿疱症は半年から1年ほどで落ち着くようです。
さて、みずの皮フ科医院は開業8周年を迎えました。
開院当初に赤ちゃんだったお子様がすっかり大きくなられて再診されると、つい懐かしく嬉しくなり、色々とお話しをすることも。
僭越ながら、私どもも一緒に成長させていただいているようにも思います。
最近は美容部門も枠を増やしたり、クリニック内のマイナーチェンジもしました。
皆様のニーズになるべく答えられるように今後もスタッフ一同頑張っていきたいと思っております。
どうぞ宜しくお願いいたします。