2020/04/22

院長日記

マスクによる顔面部の荒れについて

コロナウイルスによる猛威が全世界で止まりません。

私たちの生活は今後どうなるのでしょうか。

日々感染者数が増え続ける今、先が見えない不安でストレスの強い毎日を過ごされている方々も多くいらっしゃるかと思います。

当院でもコロナウィルスのクラスター感染が起こらないよう、スタッフ一同注意をしておりますが、受診の際には患者さんの皆様にも以下の点をご協力いただきたく、ご確認をお願いいたします。

⑴発熱や風邪症状のある方が受診を希望される場合はあらかじめ当院にご連絡をお願い致します。

⑵受診される患者さんに付き添われる方はなるべく最小限の人数でご来院ください。

⑶受診される際には極力マスクの着用をお願いいたします。

⑷受診される際にはアイチケットをご利用いただき、当院での待ち時間を極力減らすようお願いいたします。

 

さて、私たち皮膚科では、コロナ感染予防対策で例年よりも「手荒れ」や「マスクによる顔の湿疹」の方を多く診察しています。

今回は「マスクによる顔の荒れや湿疹」についてお話しします。

マスクによる皮膚炎は「刺激性の皮膚炎」です。

「かぶれ」というと、皮膚自体が特定のものに「アレルギー」を持っていることになるので、皮膚に触れれば必ず皮膚炎を起こす状態です。

それに対し、「刺激性皮膚炎」は何らかの影響で皮膚が痛み、症状をもたらすことを言います。

よって、皮膚の状態が落ち着けば、また使用しても問題ありません。

マスクは市販されている不織布性、ポリウレタン性のマスク、ここ最近ではご自身で作られた布マスクをつけていらっしゃるのも目にするようになりました。

これらの繊維自体にかぶれる、つまりは「アレルギー」を持つことは少ないとは思われますが、

マスクを長時間つけていれば、擦れたり、蒸れたりといった刺激が皮膚表面にダメージをもたらします。

ダメージを受けた皮膚はバリア機能が壊れ、皮膚内部から水分がどんどん抜けていきます。

そして乾燥の強くなった皮膚は敏感になり、何か触れるだけでも痒かったり、ヒリヒリしたりします。

女性であれば、化粧水や乳液だけでもしみたり、ヒリヒリすると訴える方もいらっしゃいます。

また、皮膚の乾燥が強くなると、「ターンオーバー」つまりは「皮膚の生まれ変わり」が悪くなります。

その結果、毛穴が塞がりやすくなり、ニキビができるようになる場合もあります。

 

では、こういう状態に陥った時に皮膚のケアーはどうすれば良いのでしょうか。

まず、皮膚への刺激を最小限に抑える必要があります。

よって、皮膚の保湿をする際は低刺激性の保湿剤を使用します。

顔を洗う時には、洗顔料ではなく、低刺激の石鹸を泡立てて優しく洗ったり、朝はぬるま湯で洗うのみにすると良いでしょう。

お化粧をする際も、あまり色々なものを皮膚につけるのは良くありませんし、スポンジでゴシゴシとこするのも好ましくありません。

自粛傾向も続きあまり外出されないとは思うのですが、

お化粧をしなければならない場合は「赤ちゃんでも使えるような低刺激の日焼け止め」をつけて、その上から「パウダリーファンデーション」を柔らかいブラシで乗せるだけがお勧めです。

 

また、上にあげたケアーをしても、皮膚の状態が落ち着かない場合は皮膚科専門医にご相談ください。

症状が進行している場合や、市販の保湿剤では乾燥やかゆみが続く場合は適切な治療が必要です。