2020/10/29
院長日記
外的な刺激による手の爪の病気
秋も深まり、日中は暖かく感じても、朝晩の冷えが強くなってきました。
今年の冬はコロナウィルスはもちろん、インフルエンザの脅威も襲ってきます。。。
日本でも続々と感染者が増えたり、少し減ったり一喜一憂してしまいますが、海外では感染者の増加から、再度外出制限を出した国もありますね。
湿度が下がると、感染のリスクも上がるというデータも出ています。
今一度気を引き締めなければならないとつくづく感じております。
さて今回は「爪」の疾患についてお話ししようと思います。
そもそも爪というのはどんな役割なのかというと、
手の爪は指先を支え、かつ細い作業や物を掴むことを助けています。
足の爪は足の指を支えることで姿勢を安定させたり、歩く走るなどの運動をする際に力を入れやすくする働きがあります。
「爪」に長い時間、他からの力が過度に働くと、爪も病気になってしまいます。
今回は「手の爪」に生じやすい「外力による爪疾患」についてお話しします。
爪は爪母(そうぼ)と呼ばれる、いわゆる爪を作る工場から少しずつ作られて行きます。
爪の生えている根元の部分とその上にある白く半月状の部分がまさに爪母(そうぼ)という部分です。
この爪母がなんらかの形で痛むと、爪を作る機能がなくなったり、正常に作ることができなくなり、爪の変形が起こります。
例えば、手の湿疹が爪母にまで及んでいる。ネイルなどで念入りに爪の根元を刺激する。
これらによって爪が凸凹に変形したり、爪の表面が洗濯板のように変形したり、爪の真ん中に溝が出来るような変形を起こしたりします。
また、爪は指先の衝撃を受けて吸収する役割もあります。
指先に長時間過度な力がかかり続けたり、爪の甘皮処置などを続けることで爪が弱くなると、爪が反対側に反り返ってあたかもスプーンのように変形したり、爪の先端部が皮膚から浮いてしまい、爪と皮膚の間の隙間に色々なものが詰まって痛むこともあります。
治療はとても時間がかかりますし、かなり難治です。
何故ならば、かなり長い期間の衝撃が原因のことが多いということと、長年の生活習慣や職業上負担がかかっているということもあるからです。
爪母が原因の場合は、爪母にステロイドを外用しますが、この部位は薬の浸透が悪く、中々効果が出ないことも多く見られます。
しっかり治すには、時間がかかるため忍耐も必要ですし、生活習慣を見直さなくてはならないこともあることをご理解いただく事も必要です。