2021/07/02

院長日記

ヘルペス「再発に備える治療」について

単純ヘルペスの「再発に備える治療」が保険適応になりました。

単純ヘルペスは顔面、特に口周りやくちびるにできる「口唇ヘルペス」と

外陰部や臀部周辺にできる「性器ヘルペス」があります。

 

「口唇ヘルペス」は俗に「熱の花」と言われることもありますが、

多くは小さい頃に両親や身近な人から接触感染もしくは飛末感染しています。

「性器ヘルペス」は性行為から感染します。

 

いずれのヘルペスもいったん感染をすると、一生涯神経に居座り、

体調を崩したり、大きなストレスがかかったり、強い紫外線を浴びたりすることで症状が出ます。

月経周期で頻繁に出る方もいらっしゃいます。

 

症状は痛痒さから始まり、その後皮膚が腫れたり、水ぶくれになります。

 

最も効果の高い治療は抗ウイルス薬の内服ですが、症状が出たら、なるべく早く薬を内服することが大切です。

 

チクチクと痛痒い感じが出たら速やかに薬を内服すると、皮膚症状が出現せずに治ってしまうこともあります。

治療が遅れると、痛痒い水ぶくれとなり、なんとなく触ったり刺激したりしているうちに深い傷になることも。

 

今回の「再発に備える治療」とは、

年に概ね3回以上ヘルペスが出る方に

現時点で出ているヘルペスに対しての内服薬の他に

次回、またヘルペスができた時に対しても内服薬が処方できるようになったのです。

 

飲み方としては、「ファムシクロビル」を初期症状が発現したら速やかに1000mgまとめて内服し、12時間後に1000mg内服します。

ただしご自身でヘルペスかどうかの判断が必要になるので、「そもそもヘルペスってどういう症状か見当がつかない」という方には処方はできません。

 

ちなみに年3回と言わず、毎月のように症状が出る場合には「再発抑制療法」、

すなわち毎日抗ヘルペス薬を飲むという方法もあります。

 

ヘルペスは頻繁に症状が出る方にとっては煩わしい疾患です。

中々症状が出ても病院に行く時間が中々ないという患者さんにはとても耳寄りな治療法だと思います。

 

ヘルペスが頻繁に出る、

ヘルペスをこじらせて嫌な思いをしたことがあるなどお悩みの方は皮膚科でご相談ください。