2021/11/01

院長日記

「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」とは?治療は?

今回は「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」についてお話しします。

「尋常性乾癬」とは皮膚の生まれ変わりが極端に早くなってしまう炎症性の皮膚疾患です。

なぜこの疾患が起こるのかは完全にはわかってはいないのですが、

元々の体質に何らかの後天的な原因や内科的な疾患が影響して生じると言われています。

 

最近では細菌やウィルスから身体を守る免疫が過剰に働くことで皮膚が異常増殖して発症することが明らかになりました。

 

皮膚の症状は境界がはっきりとした赤い斑の表面にカサカサとした皮膚が付着しています。

特に圧迫されたり擦れたりする部位に出やすく、肘膝関節や腰などに見られたり、症状が悪化すると、全身どこでも皮膚症状が出ます。

 

治療のファーストチョイスは皮膚の炎症を和らげるための抗アレルギー剤やステロイドの外用、もしくはビタミンD3製剤を外用します。

ビタミンD3製剤とは皮膚の生まれ変わりをコントロールする効果があります。

外用や内服療法でも効果がない場合は、ナローバンドやエキシマライトと呼ばれる紫外線治療を行います。

この治療は少なくとも週に1回は通院が必要になります。

その他には乾癬の原因の一つである「サイトカイン」を抑制する内服薬、注射薬を使用したり、

過剰な免疫反応を抑える「免疫抑制剤」を使用することもあります。

 

ただし、薬剤によっては患者さん自身に薬を投与することで悪化する疾患や感染症が隠れていないかを全身検索しなくてはならないものもあるため、一般的なクリニックでは処方が難しい薬剤もあります。

もちろん、クリニックで治療可能な薬から開始し、治療に反応しない場合は大学病院にご紹介して有効的な薬を投与してもらうこともできます。

 

「乾癬」は湿疹の状態によっては見た目などの観点から患者さんの生活の質を大きく下げることもあります。

適切かつ、有効的な薬剤を使用していくことが出来れば、生活も変わるかもしれません。

どうぞ皮膚科専門医にご相談ください。