2022/05/14

院長日記

爪水虫は早めに治しましょう!

今回は「爪水虫(爪白癬)」についてお話しします。

水虫の歴史は古く、日本では江戸時代まで遡り、田んぼで仕事をする季節になると足に水ぶくれが出来ることから、当時から「水虫」や「田虫」と言われていたそうです。

びっくりすることに、足水虫は日本人の5人に1人、爪水虫は10人に1人が罹患していると推定されています。

 

さて、「爪水虫」はどのように発症するのでしょうか。

「足水虫」が爪に感染していくケースや爪表面の傷から感染するケースがあります。

水虫という名前はついていますが、これは「カビ」なので、足の皮膚に感染していたカビが菌糸を伸ばして爪に挿入したり、履いている靴やスリッパにカビがついていて、爪表面の傷から侵入していくこともあります。

 

さて、治療は内服療法と外用療法があります。いずれも併用ではなく、どちらか一方を選択します。

 

内服薬は主に2種類あり、一つは爪の症状が改善するまで約半年〜1年ほど内服を継続するもの、もう一つは3ヶ月のみ内服をして終了というものがあります。

内服薬は肝機能に負担をかけることもありますので、内服する前と内服中に採血をして肝臓の機能を評価する必要があります。

よって、肝機能が悪い方や心配な方は外用薬を選択すると良いでしょう。

 

外用薬は液体タイプの形状で、古典的な薬では硬い組織である爪にきちんとした効果を出せないことがありましたが、現在の薬は爪の内部にしっかりと入り込み、カビの増殖を抑えることができます。

 

但し、爪水虫の治療はとても時間がかかります。

もしも治るまでの期間が1ヶ月です!と言われたら頑張って治そうと思われるかもしれません。

しかし、治療は少なくとも半年はかかりますし、かなり進行した爪水虫であれば、年単位の治療期間が必要です。

爪水虫は放置しておけば、将来的には爪が分厚くなり、牡蠣の殻のように変形し、「靴を履くと痛い」「爪が自分では切れない」など生活の質を下げてしまいます。

よってなるべく早く治療を開始することが重要です。

根気は要りますが、将来的に生活が制限されることのないように今のうちからケアーしておくと良いでしょう。