2023/06/26

院長日記

赤い色素に潜むアレルギー

今回は女性に気をつけて欲しい「赤い色素」に潜むアレルギーについてお話しします。
化粧品に含まれる「赤い色素。コチニール色素」

アイメークをされる方で、目の周りの乾燥、痒み、湿疹を繰り返しています。という方は要注意です。

いったいどういうことなのかというと、赤い色素の原料である、「コチニール色素」は「アイメーク」や「チーク」など、赤みを出す原料として使用されています。
化粧をする際に特に目の周りの皮膚が乾燥していたり、炎症を起こしていると、「コチニール色素」が皮膚の内部に入り込みやすくなります。
すると、皮膚内部にいる免疫細胞が勝手に「もうこれ以上入ってこないで!」と拒否反応を示すことがあるのです。まさに「アレルギー」として体に認識されてしまったことになります。

そうなると、皮膚だけでなく、口の中から消化管に入って来た場合もこれを追い出すべく、アレルギー症状が出ます。

実は「コチニール色素」は食品に赤みを出す原料としても使用されているのです。
かまぼこ、カニカマ、ハム、ソーセージ、いちご味のシロップ(かき氷)、いちごジャム、赤い色のジュース、赤い色素のお菓子などに含まれます。
よって、アレルギーがあると知らずに上に挙げた食品を食べると、全身の蕁麻疹やひどい場合は「アナフィラキシー」症状を発症し、時に生命の危険を及ぼす症状が出る場合もあります。

では、「コチニール色素」にアレルギーがあるかどうかの検査はどうすれば良いのでしょうか。
理論的には「プリックテスト」と呼ばれる、実際に色素を皮膚にプリックして、反応が出るかどうかを調べれることになりますが、
「アナフィラキシー」を起こす危険性のある検査を一般の外来で調べるのはリスクがあります。

よって現時点では検査を手軽にはできません。

皮膚科医として診察していると、目の周りの湿疹を繰り返し起こしている患者さんによく遭遇します。
つい、症状が落ち着くと薬を中止し、アイメークも再開してしまう、、、
そして何度も炎症を繰り返している。
これがまさに「アレルギー」の発症を促すことになるのです。
最近では皮膚の免疫細胞で特定の物がアレルギーと認識されても、その後皮膚炎をしっかりと治し、しばらくはアレゲンを生活の中から排除すると、数年後にはアレルギーはなくなると言われています。
(もちろん全てのアレゲンに対してではないですし、患者さんによっても差はあります。)
ただ、そもそもアレルギーになる前に皮膚の状態を健全に保ち、皮膚の内部にアレルゲンを入れないような生活をする方がよっぽど良いのではないかなと思います。

なお、「コチニール色素」は食品の成分表示では「カルミン酸色素」と書かれていることもありますので、心配なかたは注意してくださいね。