2024/03/30

院長日記

治らない辛い蕁麻疹の新たな治療

今回は難治性の「慢性蕁麻疹」の治療として新たに加わった薬についてお話しします。

そもそも「蕁麻疹」とは?

蕁麻疹は皮膚の深部からヒスタミンが放出されることで「痒みを伴う赤みや腫れ」や皮膚を引っ掻いた部位に「みみず腫れ」が生じる疾患です。

その中でも「慢性蕁麻疹」は6週間、毎日のように何も原因がないのに、蕁麻疹が生じるものを言います。

蕁麻疹の痒みは「チクチクする」「熱をもつ感じ」「痒みが強くて眠れない」など生活に支障をきたすこともあります。

中には痒みによって仕事や勉強に集中できなくなったり、不安で仕方なくなるなど、

とても辛い疾患でもあります。

通常の治療は蕁麻疹の原因である「ヒスタミン」が放出されても、皮膚へ作用ができなくなる「抗ヒスタミン薬」を内服する方法が1st チョイスになります。

内服を開始しても症状が治らない場合は抗ヒスタミン薬を通常量より倍の量で内服したり、補助薬として他の薬を組み合わせることもあります。

しかし、それでも症状が治らない場合、「生物製剤」を使う方法が承認されました。

そもそも、蕁麻疹が出る原因が体に異常に増えた「サイトカイン」が炎症を起こす号令をかけてしまうのですが、このサイトカインを調整して体に作用しないようにする注射薬です。

注射薬の使用にあたっては、先にあげた内服薬での調整が全く困難な場合に限られます。

蕁麻疹は体が暖まると誘発されることもあるため、緊張したり、運動して体が熱くなった時に出やすくなります。

「ここ一番!」と頑張ろうと思った時にチクチクとした、体を刺すようなイヤな痒みが。。

難治性の蕁麻疹でお困りの方は新しく承認された注射薬での治療をしてみるのはどうでしょうか。

詳しくは皮膚科専門医へお尋ねください。