2026/03/02
院長日記
「乾癬(かんせん)」について
今回は「乾癬」についてお話しします。
乾癬とは、皮膚の細胞が異常に増殖する皮膚疾患です。
皮膚の細胞はゆっくり、ゆっくり、約1ヶ月ほどかけて角化していくのが正常です。
しかし、「乾癬」では皮膚の細胞が4~5日で角化してしまう疾患です。
正常な状態では、角化細胞は最終的に自然と脱落していくのですが、
角化が早すぎると、自然に脱落することが間に合わず、角化細胞が積み重なっていきます。
その結果、肌表面に白いガサガサの皮膚がまるでカサブタのようにガッチリとくっ付いた状態になります。
この皮膚の状態が局所に留まらず、顔や頭皮などの露出部に現れると、患者さんにとってはとても苦痛です。
また、
「乾癬」は関節にも影響を及ぼす事もあります。
「関節症状」は胸の真ん中の骨や、鎖骨部、腰の骨などに多く見られ、ズキズキとした鈍痛があります。
関節症状が進行してから治療を行なっても、元に戻らないこともあり、積極的に治療をする必要があります。
では、「乾癬」の原因は?
実際には完全に解明はされてはいません。
しかし、まず「遺伝的な要素」が背景にあり、
それに外的な要因、大きなストレスや喫煙、暴飲暴食など食生活の乱れ、運動不足。
内面的な要因として、肥満、妊娠や出産、脂質異常、糖尿病などの成人病が加わって発症すると言われています。
さて、治療方法はどのようなものがあるのでしょうか。
大きく分けて、以下の治療があります。
①外用療法
②紫外線療法
③内服薬(エトレチナート、PDE4阻害薬、JAK阻害薬など)
④注射治療(生物学的製剤)
どの治療を選択するのかは、
Ⅰ乾癬の症状がどの程度であるのか、
Ⅱ乾癬が原因で、生活の質を大きく落としているかどうか、
Ⅲ乾癬に伴う関節症状があるかどうか。
Ⅳ早く治したいという強い希望がある。
これらのポイントから、どの治療が患者さんにとって最適であるのか、検討していきます。
最近では「乾癬」は皮膚にとどまらず、異常に増えたサイトカインが心筋梗塞などの血管系の疾患や糖尿病など、成人病にも影響することもわかってきています。
できれば、高額ではあっても、ご自身の「乾癬」に向き合い、必要があれば、積極的な治療を行うことが必要かもしれません。
治療にお困りの場合には皮膚科専門医にご相談ください。

